涼宮ハルヒの憂鬱 #15 カープ連敗

liontamarin2006-07-13

あんたさ、自分がこの地球でどれほどちっぽけな存在なのか自覚したことある?


    私はある。


忘れもしない大学院生の二年生の時、研究室みんなで野球を見に行ったのよ、甲子園まで。


私は阪神なんて興味なかったけど、着いて驚いた。


見渡す限り人だらけなのよ。


球場の向こうにいる米粒みたいな人間がびっしり蠢いているの。
日本の人間が残らずこの空間に集まっているんじゃないかと思った。


でね、教授に聞いてみたのよ。ここはいったいどれだけの人がいるんだって。
広島戦だから3万人くらいだろうって教授は答えた。


試合が終わって甲子園駅まで行く道にも人が溢れていたわ。


それを見て私は愕然としたの。
こんなにいっぱいの人間がいるように見えて、
実はこんなの日本全体でいえばほんの一部に過ぎないんだって。


研究室に帰ってスパコンで計算してみたの。
日本の人口が1億数千万っていうのは常識として知っていたから、それを3万で割ってみると、たった4000分の1。


私はまた愕然とした。
私なんてあの甲子園にいた人ごみの中のたった一人でしかなくて、
あれだけたくさんに思えた甲子園の人たちも実は一掴みでしかないんだ、ってね。




    それまで、私は自分がどこか特別な人間のように思ってた。




家族といるのも楽しかったし、何よりも自分の通う大学の自分の研究室は世界のどこよりも面白い人間が集まっていると思ってたのよ。




    でも、そうじゃないんだって、その時気づいた。




私が世界で一番楽しいと思っている研究室の出来事も、
こんなの、
日本のどの大学でもありふれたものでしかないんだ。
日本全国の全ての人間から見たら普通の出来事でしかない。




    そう気づいた時、私は急に、私の周りの世界が色褪せたみたいに感じた。




夜に歯を磨いて寝るのも朝起きて朝ごはんを食べるのも、
どこにでもある、
みんながみんなやっている普通の日常なんだと思うととたんに何もかもがつまらなくなった。


そして世の中にこれだけの人がいたらその中にはちっとも普通じゃなく面白い人生をおくっている人もいるんだ、そうに違いない、と思ったの。




    それが私じゃないのはなぜ?




大学院を卒業するまで私はずっとそんなことを考えてた。




考えてたら思いついたわ。
面白いことは待っていてもやってこないんだ、ってね。


就職したら私は自分を変えてやろうと思った。
待ってるだけのオタクじゃないってことを世界にうったえようと思ったの。


実際私なりにそうしたつもり。
でも結局は何もなし。
そうやっていつの間にか私は23になってた。


少しは何かが変わると思ってた。



・・・てな人生を歩めるように頑張ります。
金本が2回もホームランを打ちました。
350本本塁打だそうです。カープは見事に連敗です。
キムタクも巨人にトレードされちまったし・・・
戻ってきてくれー。


音声から台詞を書き起こしたわけですが、すっと頭に入ってくる良文ですね。
あなたも自分だけのセカイ系人生を楽しんでください♪