かみちゅ!

liontamarin2005-07-29

今期関西で放送されているアニメの中で、今のところ一番の出来です。
第1話、第2話では映画のクオリティーかと思わせる動画で、原画も非常に良く描けていました。
羽音たらくのキャラクター原案が良く練られているようで、色の数を絞っていてシンプルではあるけれども、きちんと魅せられるようにできています。これならこの高クオリティー作画も長い期間維持できるかもしれません。
また羽音たらくデザインとしては珍しく、それぞれのキャラクターの髪の毛や瞳の色が地味で「妖怪もの=日本」を扱う作品としてきちんとマッチしています。
(挿絵は羽音たらくということで、僕の想像していたゆりえ)


背景も非常にきれいに描けていて、尾道の自然を存分に表現できていますし、音楽の使い方もグッド! 使い方がうまく、場面の転換などにも効果的に用いています。アニメに限らず音楽に振り回されている映像作品は多いですが、これに関してはそんなこともありません。
背景に関しては、エンディングクレジットにも出ていますが、「尾道フィルムコミッション」の協力が大きいようで、地元のことをしっかり理解しているアドバイザーのもとスタッフが取材できたことが伺えます。地方で観光資源をもっと持ちたいのならば、尾道などを見習ってこのような努力がこれから更に必要になるでしょう。地元にはリスク無しに経済効果があるはずです。


話がそれましたが、この作品を見ていく上でどうしても意識してしまうのはやはり「宮崎アニメ」です。
主人公の神様が神通力を使う時や感情の変化を表す時に、演出として髪の毛を逆立てたりするのはアニメの基本ではありますが、実際ジブリが得意としているところではあります。そのほかにも話の筋や、原画、動画、主人公声優の素人臭など、全体的に宮崎アニメを彷彿とするものがありますし。
しかし、宮崎アニメと違うのは明らかに「萌え」を意識している点です。ストーリーの随所に「かわいい」シーン、小物、人、生き物をちりばめており、そういう方向でも人気をとっていこうと努力しているようです。「萌え重視の宮崎アニメ」といったところでしょうか。


キャストに関しては、主人公に声優経験の浅いMAKOを迎えてはいるものの、脇を森永理科峯香織野中藍と割としっかりまとめており演技的にはそんなに問題ありません。不思議なことに脇に行くにしたがって実力がある人がいる気がするぐらいです。猫のタマ役に斎藤千和って・・・この人ドンドン実力をつけていてすごいですね、しかし。本当にうまくなった〜素晴らしい。


このように今のところ大絶賛のかみちゅ!ですが、一つ気になることがあります。オープニングアニメーションが第3話現在まだ出来ていないのです。第3話はオープニングが明らかにあるべきだったはずで、演出的な意図ではないと思います(関東では第4話まですすんでおり第4話からはあるらしい)。そうすると「スケジュールが実は非常に厳しいのでは」という推測がなされ、作画崩壊の危機が一気に現実味を帯びてきます。


そうならないことを本気で祈りつつ、これからも注目して視聴していきたいと思います。