匿名掲示板について少しだけ考えてみる

liontamarin2005-05-13

今日は研究室の秘書さんの誕生日だったので、お茶室でみんなとワイワイ飲み食いしていました。
教授(チョー若い)と色々と話しているうちに匿名掲示板(例えば2ちゃんねる)の話に。


教授は「あの手のコミュニティーでは、情報を発信する側の大部分からモラルが欠如しており、嘘やデマが溢れているので、時間をさいて熱心に見ていても仕方ない」という趣旨の発言をしました。


僕もそれについては一理あると思います。


しかし同時に考えたことは、「メッセージを書き込む人間に対して、どこまでモラルを強要し嘘やデマを排除する必要があるのか」ということでした。
実生活においても、推測に従って無責任な発言をしてしまうことがありますし、実際に顔も見えないネットの世界では、情報を発信する側の個人の責任が、より希薄に感じられるのはある程度仕方の無いことかもしれません。
また、そのような自由な(ある程度野放しな)環境だからこそ、、情報の伝わる速度が大きかったり、独特の発想や思想が持てたりというメリットが生まれているとも言えるでしょう。


そう考えると、匿名掲示板のようなメディアでは情報を発信する側よりも、むしろ、情報を受信する側の責任のほうが大きいということが出来るのではないでしょうか。


以前の研究室にいらっしゃった、偉大な先輩は言いました。
「ネットで情報を検索する時に大事なことは、膨大な量のノイズの中から自分の求めるシグナルをいかにして速く、正確に見つけ出せるかということである」


これまでの社会で情報を発信していたのは、責任あるマスコミというごく一部の機関でした。
しかし、これからの社会では、情報を民衆、誰もが発信出来るようになります。・・っていうかもうなってるし。
情報量もこれまでとは比べ物にならないくらい増えることでしょう。
社会がそのように移行している中で、私達は情報の選別をしてそれを評価するという行為をせねばならず、その訓練をこれから積んでいかなければなりません。
ワイドショーをだらっと見ながら、言っていることを鵜呑みにする時代はもう過ぎ去ろうとしているのです。


ですから、僕は、「あの手のコミュニティーでは、情報を発信する側の大部分からモラルが欠如しており、嘘やデマが溢れているので、時間をさいて熱心に見なければならない」という主張をしたいです。


・・・と教授に言ったところ「確かにその通りだ」と言ってもらえて嬉しかったです。
化学のことでは全然かないませんが、おたくとして他の分野では負けませんよ〜とがんばっちゃた今日でした。

  • しかし、匿名掲示板というのは面白いメディア形態です。

最初見たときはやけに「名無しさん」という人が連続して書き込んでいるなぁと勘違いしてました。同じスレの中にいながら、自分以外、何人いるかもわからないし、誰が誰かもわからない、あのような環境はほかに考えてもそうあるものではありません。
書き込む人にはわからないと思うですが、全ての人からの客観的に見てみると、人と人との境目があいまいになって、「どこからがその人で、どこまでがその人かわからない」まるで、新世紀エヴァンゲリオン人類補完計画が成功した状況です。

  • もしかしたら、

そういった暗喩をこめて庵野秀明は、映画版の新世紀エヴァンゲリオンにインターネット掲示板の書き込みを映すシーンを入れているのかもしれないと考えました。

  • 「匿名」は

『すでに引きこもりを表している』。
 4/16になかなかおもしろい毒電波をキャッチした方がいらっしゃいます。
 http://www.geocities.jp/asc_gamefreak/



長くなっちゃってすいません。