電脳コイル #1 メガネの子供たち

期待の新作。
思ったよりだいぶ静かに始まった印象。


脚本は世界観や登場人物説明など、とてもうまく盛り込めていて、それでいて見せ場もあり、そつのない出来栄えだったと思う。
原画動画に関しては全体を通して大変高いレベルであり、何故か地味な部分でこだわりやうまさが光っていた。この調子で盛り上がるところでうまく「良い動画」が描かれると一般の人にも分かりやすくアピールできるのではないだろうか。
欲を言えば構図にもう少し斬新さが欲しいところ・・・うーん、すごく洗練されてていいんだけど(作品全体を通してもいえること)アクセントになる部分が今回は見えていなかった気がする。まぁ、欲張りすぎか。


個人的に思ったのは、あと50年後とかには本当にこういう世界になっているのだろうか・・・ということ。
要するにあの眼鏡ってホームページビルダーみたいなものだんだよね?そういえば考えてみるとMS-DOSからWindowsに変わってるのだって、いかに情報(コードやコマンド)を人間の視覚的にうったえかけるものにするかっていう部分が重要かを物語っていると思う。最終的に目指すのはやはりあぁいう世界なのだろうか。パソコンに強い人なら更に楽しめる作品なんだろうなぁ。
さらにそういう電脳の最先端技術とちょい昔の風景が混在しているところもこの作品の雰囲気を形作っている魅力。
僕らが子供のころに見ていたアニメでは車が宙に浮いてチューブの中を走っていたりして、町全体が「未来でございます!」というオーラを放っていたけど、21世紀になってしまった現在、まだそれは叶っていない。
そしてたぶん、これからもそういう街は出来ることはなくて、今の街の風景と未来の技術で生じたものを所々継ぎ合わせたようなものが本当の街の未来図になるはずだ。そういう意味でこのアニメが提案している街の未来像・雰囲気というのは限りなく本物らしいものに思える。


設定の部分ではかなりちゃんとした近未来SFをしていると思うんだけど、さて、これから盛り上がれるかな!?
個人的にはメチャクチャ期待していたのでそうあってほしいところ。