フタコイ オルタナティブ

今期毎週楽しく見ていたアニメの一つでした。


最初は、放送も深夜3時10分からと遅いし、前作の双恋(まじめに見たことないけど)はぬるぬるの女の子いっぱいアニメだったので一話だけ見て切り捨てようと思っていました。
しかし、オープニング見ただけで思いました。


あれ?あれ?なんかすげーぞ?なんだこれ?ほんとにこれフタコイ?なに?このマクロス並みのミサイルの飛び方は?


最終話になってやっと意味がわかりましたが、第1話はとにかく「すごかった」のですよ。
原画、動画、共にすさまじいクオリティーで演出も良かった。
本当に大穴でキターーーーーって感じでした。それから、毎週きちんと見てました〜
それからちょっとした山アリ谷アリではあったものの、昨日ついに最終話。

最後まで製作会社ユーフォーテーブルは全力で走りきっていました。
えぇ、走りきっていましたよ。 


このアニメを考えるにあたって最も大事な切り口は、最終話のタイトルにもなっていたフタコイキャッチフレーズ「3人でいたい」ではないでしょうか。


たしか前作のキャッチは「2人いっしょじゃだめですか?」。ギャルゲー路線の前作双恋は双子が一緒に主人公に恋しちゃてどうしよ〜バナシ(端的だけど)。
それが、今回は数いる双子のなかで白鐘沙羅白鐘双樹一組をメインに据え、常に恋太郎と3人一緒に話が展開。さらに主に主人公恋太郎の視点で物語は進んでいき、一般的な萌えアニメとは異なる様相のストーリーとなりました。


このアニメは最初の出発点、企画が持ち上がった時点でかなり良く練られていたと思います。
上に述べたように「2人いっしょじゃだめですか?」から「3人でいたい」にコンセプトを思い切って変更したことが、イコールで「前作をまったく気にしないアニメ製作」に繋がったと思います。
また、「双子姉妹を全組出す」という制作上の縛りはあっても、メインをきちんと白鐘沙羅白鐘双樹に限ったことによって、13話という短い時間にも関わらず、十分にその心情を掘り下げることができました。
これは登場キャラクターをどんどん増やしていく昨今のアニメとは対照的な作りとなっています。「登場人物を増やして全員消化不良に陥るよりは、絞ってきちんと描ききろう」という指針はこのアニメにおいてかなりの成功を収めたといってよいでしょう。よく決断したと思います。種デスネギま製作陣に聴かせてやりたい・・・


他にも現場的な良い点もたくさんありました。
まず背景が素晴らしく美しかったです。草薙が担当していた背景。ニコタマの美しさが十分に表現されていたと思います。背景だけで眼を見張る出来の回も多く、そこも毎週楽しみに見せてもらっていました。
そして、原画・作画面でも、映像的にも実験的とも言える表現をふんだんに盛り込み、とにかく視聴者を飽きさせないように努力していました。・・・いや、これはスタッフが「やりたいからやった」という印象の方が大きいですが。たぶん楽しんで描いていたんじゃないですかね。
また、自らエンディング曲の作詞をするなど、監督の逢瀬祭がとにかくなんでもやって、全体を引っ張っていたことような印象を受けました。この監督さん、非常に仕事が丁寧です。スタッフをまとめる力ある人なんだろうなぁと何故か思いました。
声優陣も実力のある人ばかりでした。メインキャラクターはもちろんですが、脇役にも有名でなくともきちっとした演技のできる人たちを集めていたと思います。ニコタマの脇役の「味」もこの作品を引き立たせています。


センスのいい私立大学映画サークルの学生達が、アニメ職人を巻き込んでとにかくみんなでワイワイやりながら、最後はやっぱしんどくなったけど、ストーリーも確かに説得力にかけるけど、とにかく走りつづけるためにこだわらないで、でも、やりたいことやったゼ!!ウォォォオーという匂いのするアニメでした。
スタッフのみなさんには若さと元気をいただきましたよ!!


ありがとうございました!!